薬の専門職として「お薬があるところ、常に薬剤師あり」を理念とし、正しい調剤と薬の適正使用や管理、安全・安心な医療を実践するため、各々が協力と協調、向上と奉仕を目指し、日々努力をしながら業務を展開しています。薬剤師の業務も大きく変化してゆく中、患者さん中心の適正な薬物療法の支援のため薬剤管理指導などを通して患者さんからの薬に対する疑問に応え、副作用のモニタリングや処方提案を行っています。また、入院直後から持参薬の確認を行い、適切な情報を入手し、薬剤業務を行っています。板橋区医師会病院薬剤科は薬剤師7名、薬剤事務1名の計8名と少数ではありますが、スタッフ一丸となり毎日の業務を遂行しております。
それでは業務の内容について簡単にご説明します。
当院は平成26年3月より、電子カルテを導入しました。さらにその電子カルテと連動している自動錠剤分包機によって一包化調剤が行われます。このように調剤支援システムを運用することで調剤の効率化を図っています。散薬は散薬処方監査システムにてバーコードを利用し、調剤監査用シートを作成して散薬調剤を行っています。内服薬および外用薬のすべてにおいて調剤された薬剤は別の薬剤師により再度、処方内容、調剤内容を最終監査し、患者さんの手元に正しくお薬が渡るように努めています。薬の袋は飲む時間ごとに色分け(朝=赤、昼=黄、夕=青、寝る前=緑)をし、さらに各薬剤の名前と写真の入った説明書を印刷することで、お薬の説明時でも患者さんが理解されやすいように工夫しています。
薬の飲み方や効能、副作用などわからないことや疑問がありましたらお気軽に薬剤師へ相談、お問い合わせください。
注射薬についても電子カルテによる処方オーダリングシステムを導入しています。医師が入力した注射処方箋がオーダリングシステムにより発行されます。薬剤科にて患者さんごとに1日分の個人別セットで注射薬を取り揃え、病棟などへ毎日払い出します。その際、薬剤師は注射薬の投与量、安定性、配合上の問題点、点滴速度やルートなどの監査を行います。
がん化学療法は入院患者、外来患者のどちらも実施しています。抗がん剤の調製は安全キャビネットという特殊な装置内で薬液を混合調製しています。薬剤師は入院患者の場合、医師による注射処方箋を前日までに確認し、治療計画表をチェックした上で患者の名前、使用薬剤、使用量、薬歴などの監査を行います。また患者さんの血液検査や体調を医師さらに薬剤師も確認し、医師から投与可能の指示が出てから混合調製を行います。患者さんが安全で有効ながん治療ができるように医師、看護師との連携を強化しています。
各病棟担当の薬剤師が医師、看護師と連携して入院中および退院時の患者さんに対して服薬の説明を行っています。薬を指示通り正しく服用することは、治療上非常に重要となります。薬剤師は患者さんに薬の飲み方や薬の効果、注意事項、副作用などを説明します。また、場合によっては家族の方にも説明させていただくこともあります。薬を正しく服用するための工夫や指導を個々の理解度に応じて最良な指導をできるように努力しています。
薬剤師は薬の専門家です。
数多くある薬の効果や副作用の情報を収集し、医師や看護師その他の医療従事者に適切に医薬品情報を提供しています。正確でスピーディーな情報提供が薬剤師に求められており、その医薬品情報の提供が陰ながら医療現場を支えています。
多くの患者さんは入院時にたくさんの服用中の薬を持参してきます。特に当院は医師会の病院であること、更には日本大学医学部関連病院という2つの性質上、かかりつけ医や大学病院からの患者さんが多く入院してきます。自宅で服用していた薬を薬剤科で確認し持参薬鑑別報告書として医師に報告します。医師は報告書をもとに入院後も引き続き服用が必要な薬剤については持参薬を服用するための指示書を発行します。それに基づいて薬剤師が持参薬の調整を行いますが、その際、安全確実に服用していただくために持参薬も一包化を実施しています。